2009 Fiscal Year Annual Research Report
中・日・韓・米リンクモデルによる環境・エネルギー・経済構造に関するゲーム論的分析
Project/Area Number |
20530223
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Research Institution | Kyoto Gakuen University |
Principal Investigator |
尾崎 タイヨ Kyoto Gakuen University, 経済学部, 教授 (00160846)
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Keywords | 計量経済モデル / アジア経済 / ゲーム論 / シミュレーション分析 |
Research Abstract |
平成21年度には中国、日本、韓国、アメリカ、その他地域を結ぶ計量モデル「アジアリンクモデル」を構築することができた。このモデルは各国国内モデル、貿易モデル、エネルギーモデルブロックからなるが、このうちエネルギーブロックは簡単なものにとどまった。また、シミュレーション分析は深刻な不況に対する各国の未曾有の財政政策(stimulus packages)が同時進行したため、財政効果の波及を中心に据えて分析した。日本経済は公共投資の乗数が1.1程度と低いのに対して、中国、アメリカではかなり高く1.2を超える。乗数については国際的に議論が多く、この値は本来高くないとする見解が多く、本分析でもそれを裏付けるものであった。国別に見ると、輸出依存度の高い韓国では外国への効果の漏出が大きく、同様に外国依存度の高い中国などとはかなり異なる特徴を示している。 (1)各国モデルは標準的な計量経済モデルであるが、主要な関数はForward-looking型の期待を反映した変数を安定して組み込むことができた。しかしながら中国経済について重要なFDIに関しては明示的に効果を取り込んだ関数の開発はできていない。このため日本の中国に与える影響分析は正確でない可能性がある。 (2)多国間リンクモデルでは貿易モデルが重要な役割を果たす。この点ではtranslog関数を採用して新しいタイプの輸出入関数を計測した。しかしながら、この方法は安定せず、モデル開発のなかで最もクリティカルな部分となった。米中間の関係が強まっている。 (3)平成21年度までは旧データで分析してきたが、平成21年度末には最新の長期データセット(主にマクロデータ)を導入することができたため、モデルの再推定も含めシミュレーション分析を深めることができる。
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Research Products
(1 results)