2008 Fiscal Year Annual Research Report
3E(経済・エネルギー・環境)の視点から基幹(観光)産業をシミュレートし評価する
Project/Area Number |
20530252
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
金城 盛彦 Tokai University, 政治経済学部, 准教授 (30317763)
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Keywords | 沖縄ツーリズム / 沖縄多部門SAM / RAS法 / 中間投入・需要分離 / ツーリズム分離IO / 影響力係数 / 感応度係数 / 沖縄ツーリズムの産業特性 |
Research Abstract |
平成20年度予定の研究目的・計画・方法は沖縄県の「観光統計実態調査報告書」や財)南西地域産業活性化センターから購入したデータ等を参考に「2000年度沖縄多部門SAM」を作成しツーリズム振興が沖縄県経済に与える影響を考察することであった.その際,入域客が中心の沖縄県のツーリズムの特性を受け「移輸出需要」をツーリズムと非ツーリズム需要に分離した.本研究の目的はさらにRAS法や,関連の財務諸表等で単独の産業部門としてツーリズムを分離したSAMを作成し,具体的には,1.ツーリズムは沖縄振興策の基幹産業足りえるか,2.分析の際にツーリズムを独立させる必要があるか学術上の議論への回答が可能となる予定であった.本年度は2部門の「2000年度沖縄多部門SAM」を作成した.同SAMはRAS法を用い中間投入・需要も分離・分割した,ベースとなった「41部門産業連関表」を用い沖縄県のツーリズム,非ツーリズム産業の「影響力係数」と「感応度係数」を求めた.「影響力係数」の値からは,ツーリズム部門に生じた需要が各産業に与える波及効果は,同一産業の非ツーリズム部門より大きく,地域の基幹産業として有望であることがわかった.「感応度係数」からは,ツーリズム部門が存立する上で高い域外依存が明らかになった.この結果から,沖縄県のツーリズム部門は非ツーリズム部門に比べ県経済振興に有為である一方で,その存立自体で域外経済への依存が強く,県内で得られた収益が結局域外へ流出してしまう可能性が高いといえよう.これは中間投入・需要をツーリズム,非ツーリズム部門を分離しない従来の研究からは得られなかったツーリズム産業の特性である,本研究により沖縄県のツーリズム分析にはよって,既存の研究ではなく本研究のような中間投入・需要も含んだツーリズム部門の分離が需要であることが明らかになった.
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Research Products
(3 results)