2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20530255
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
阿部 茂行 同志社大学, 政策学部, 教授 (60140076)
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Keywords | 経済発展モデル / アジア / 実証分析 / FTA / 中国とインド / 部品貿易 / 生座ネットワーク / GMS |
Research Abstract |
これまでの研究成果をまとめる形で、アジア経済発展の典型的なパターンを東アジア諸国について分析、輸出志向の経済発展の実証分析をより深化させた。国連貿易統計を主に使用して、アジアの生産ネットワークの現状、それに依存するアジア経済発展の類型を東アジア諸国について整理しなおした。自動車産業と電気製品・部品について輪入国から輸出国へとその発展過程を分析し、各国とも類似した発展パターンを辿ったことを示した。 生産ネットワークの進展は、東アジア全体に拡大しつつある。それを可能とし加速化させているのは、イフララの整備で、最近、重要な役割を果たしているのが、東西回廊の建設で、GMS諸国に生産ネットワークは拡大してきている。貿易データや日系企業の直接投資動向の資料を東洋経済のデータベース等から収集し、この地域の生産ネットワークの実態を明らかにした。 こうした進展には貿易の自由化が必須である。FTAが実行に移される前に事実上の自由化が起こっている東アジアにはその環境が整備ざれていた。さらなるこの地域のよりダイナミックな発展のために、長期的には金融や投資を含めた、地域統合化が、そしてその組織化が必要なことから、アジアの国際機関の果たすべき役割は大きい。 日本が果たしてきた直接投資・輸出を梃子とした生産ネットワーク化は台湾・韓国が後追いしている。貿易のみならず直接投資・生産ネットワークの雁行形態発展である。アジアのこうした発展パターンは世界的不況のもとその脆弱性を露呈した。また中国・インドが雁行形態を踏襲するととはできないことは明らかで、こうした観点をまとめ、シンガポール、タイの研究機関で研究発表を行い、意見交換をし、新しい知見をまとめあげた。
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