地方財政におけるソフトな予算制約問題の理論的実証的検討

2008 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 20530272
• Research Institution: Osaka University
• Principal Investigator: 赤井 伸郎 Osaka University, 大学院・国際公共政策研究科, 准教授 (50275301)
• Keywords: ソフトな予算制約 / 地方財政 / 不完備契約

Research Abstract

1年目となる本年は、地方財政におけるソフトな予算制約問題について世界で研究されている動向をつかむため、以下の研究活動を行った。
1コンファレンスの開催:
海外から3名の研究者(Marie-Laure Breuille、 Switzerland Emmanuelle Taugourdeau、 Karolina Kaiser)を招待し、地方財政におけるソフトな予算制約に関する研究論文を発表してもらい、活発な議論を行った。この分野では、最近さまざまな研究がなされているが、研究の方法などに統一性は見られず、それぞれの研究の貢献が、どのような位置づけでなされているのか、それぞれのモデルの違いが根本的にどのような理論的構造に依存しているのかは明らかとはなっていない。このようなコンファレンスを行うことを通じて、研究官の差異や課題を明らかにすることで、ソフトな予算制約問題の分野での新たな貢献につながる意見交換が行えた。
2情報収集と問題解決に向けた視点の把握
情報収集、データ整備のため、海外のコンファレンス・学会・視察も行った。具体的には、上海におけるインフラ整備と活性化のあり方、ソウルで公共経済学会に参加し、発表・討論を行った。さまざまな情報収集から、日本で生じるさまざまなソフトな予算制約問題への解決にむけた糸口を見つけ出し、今後の理論的・実証的研究につながる視点を学んだ。