2009 Fiscal Year Annual Research Report
地方財政におけるソフトな予算制約問題の理論的実証的検討
Project/Area Number |
20530272
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
赤井 伸郎 大阪大学, 大学院・国際公共政策研究科, 准教授 (50275301)
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Keywords | ソフトな予算制約 / 地方財政 / 不完備契約 |
Research Abstract |
2年目となる本年は、地方財政におけるソフトな予算制約問題について、これまで研究において執筆した論文の成果の価値を知るとともに、さらなる価値ある情報の収集にむけ、以下の研究活動を行った。 1国内外コンファレンスでの発表: これまで研究してきた段階での成果の価値を知るため、国内外のコンファレンス(日本経済学会(09.06.06京都大学)およびIEB III WORKSHOP ON FISCAL FEDERALISM(09.06.18)in Barcelona Spain)、大学でのセミナー(青山学院大学「「地方自治体の公共選択」ワークショップ」(09.03.06)、Workshop in Public Economics in Paris,France(10.04.14))で積極的に発表を行うとともに研究者と議論を行った。 2情報収集と問題解決に向けた活動 情報収集、データ整備のため、有識者を招待しての講演会および視察も行った。具体的には、関西の公共経済学の有識者を集めて公共経済学研究会を、合計5回開催した。特に、他分野からは、教育学の分野で著名な末冨芳(福岡教育大学准教授)氏より「教育費の公私関係の現状と再編の展望」と題した講演を、また、関西の実務的な問題を議論するため、菊池善信(元大阪府財政課長)氏より、「大阪府財政の現状と課題」と題した講演を、藤井睦子(大阪府教育委員会事務局課長)氏より「大阪府の教育改革の狙いと課題」と題した講演を、さらに、吉村浩(大阪市市政改革室行政評価担当部長)氏より、「大阪市の行財政改革の取組と今後の対応」題した講演をいただいた。また、インフラ整備とソフトな予算制約問題を把握するため、沖縄港湾開発の現場、香港の貿易発展局・港湾・空港を視察した。得られた情報は、日本で生じるさまざまなソフトな予算制約問題への解決にむけた糸口を見つけ出すために、大変有益なものであり、今後の理論的・実証的研究につながる視点を学んだ。
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