2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20530283
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Research Institution | Nishogakusha University |
Principal Investigator |
田端 克至 Nishogakusha University, 国際政治経済学部, 教授 (40277702)
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Keywords | 国際金融論 / アジア / 国際資本移動 / 資本市場 / DSGE / 構造VAR / オープンマクロ経済学 / 証券化 |
Research Abstract |
平成20年度、理論研究と、それを応用した実践的研究の二つのアプローチで取り組み、研究成果は海外でのコンファレンスで発表、学位取得論文として公表した。 アプローチ1;東アジアの国際資本市場の発展のメカニズムを示すモデル分析を、「国際通貨制度と資本取引」、「資本移動が存在するもとでの国際的な経済ショックの政策波及効果」、「東アジアにおけるクレジット・チャンネルの形成」という三つの論文にまとめ、学位を取得した。 アプローチ2;東アジアの国際資本市場発展に資する金融ツールを検討した。具体的には、フィリッピン、インドネシア、などを想定し、海外出稼ぎ労働者が自国に資金送金するremittanceについて、証券化の技法を通じて経済発展に利用できないか検討し、その成果をフィリッピン中央銀行主催の国際コンファレンスで発表した。各国の金融深化が、重要な役割を果たすことをDSGEモデルで示し、チェンマイ・イニシアチブの一つの発展形態として、remittance証券化を普及させることの重要性を指摘した。 また、アジア開発銀行から提案された債務保証制度(CGIM)のワーキンググループの基礎研究にモデル作成者として協力、2009年春のアジア開発銀行総会では、本基礎研究をもとにしたCGIMの創設が各国で合意された。さらなる研究の飛躍を図るため、国際研究網の構築にも着手した。準備段階ではあるが、国際研究機関との共同研究の働きかけ、デビット・シンガーMIT准教授との共同研究などを模索している。
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Research Products
(6 results)