2010 Fiscal Year Annual Research Report
広域的市町村合併における地域自治組織の多層的構造再編に関する理論的・実証的研究
Project/Area Number |
20530284
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Research Institution | Aichi University |
Principal Investigator |
宮入 興一 愛知大学, 経済学部, 教授 (40136693)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樋口 義治 愛知大学, 文学部, 教授 (00131128)
宮沢 哲男 愛知大学, 経済学部, 教授 (90121350)
黍嶋 久好 愛知大学, 中部地方産業研究所, 研究員 (00460519)
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Keywords | 平成大合併 / 市町村合併 / 地域自治組織 / 住民自治組織 / 地域協議会 / 合併特例区 / 地域自治区 / 地域コミュニティ |
Research Abstract |
本研究の目的は、「平成の大合併」によって基礎自治体が広域化、大規模化し、これに対応するために制度が形成されてきた都市内分権にともなう「地域自治組織」と「住民自治組織」との重層的な仕組みについて、合併の背景や合併経緯、合併方法まで含めて「多層的内部自治組織」として構造的に解明し、それらを類型化して比較分析することによって、「多層的内部自治組織」の本質を究明するとともに、それらが様ざまな形態をとることの意義を住民自治の観点から理論的・実証的に解明し、広域的市町村におけるより好ましい地域自治のあり方を探究することにある。 そのために、第1に、平成大合併における全国の合併575市町村と、非合併1,175市町村の全てを対象として、「平成大合併に関する全国アンケート調査」を実施した。その調査結果を、単純集計分析の他に、クロス集計分析を行った。こうした、全国全町村を対象とした悉皆調査に基づく平成大合併の多角的分析は、これまでの研究には存在せず、非常に大きな意義があった。 第2に、典型的な合併事例について、ミクロ的な事例研究を実施して、研究対象を一層深めた。その中で、特に、地域自治組織と住民自治組織との関係について、いくつかの類型がうかび上がってきた。現在までのところ、(1)住民参加型(新潟県・上越市)、(2)官民協働型(宮崎市)、(3)官民協調型(愛知県・豊田市)、(4)陳情型(岐阜県・高山市)、さらに政令指定都市についても、(5)都市内分権・自治志向型(新潟市)、(6)都市内分権・自治退行型(浜松市)などに分類し、その比較検証を行った。その考察の中から、今後の、21世紀型の地方自治の方向が次第に鮮明になりつつある。 こうした類型分析による研究も先行事例はほとんどなく、本研究の非常に大きな実績といえる。
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Research Products
(5 results)