2010 Fiscal Year Annual Research Report
地方中堅・中小企業および第三セクターにおける企業再生と再生手法・機関の有効性
Project/Area Number |
20530290
|
Research Institution | Momoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
松尾 順介 桃山学院大学, 経営学部, 教授 (00330340)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 瑞彦 桃山学院大学, 経済学部, 教授 (10368384)
|
Keywords | 地域再生 / 中小企業 / 事業再生 / 投資ファンド / 金融スキーム / 自然エネルギー |
Research Abstract |
22年度は、中堅・中小企業の具体的な再生策についてヒアリング調査を実施した。第一に、岡山県津山市のアルミ加工共同事業体を調査し、複数の中小企業の技術集結による新たな加工工程の開発経緯を検証した。第二に、福岡県の炭鉱事業会社にヒアリングし、炭鉱技術が開発途上国で有望な事業として展開していることを検証した。第三に、熊本県での地域再生への取り組みについて調査した。 上記研究から言えることは、中小企業の持つ技術はその展開の仕方によって有効性を発揮するということである。地域の協同により各社の強みをより高いレベルで商品化することが可能である。また、日本では活用できない技術であっても途上国においては先進技術に転化しうる。このように、事業再生や地域再生においては、定見にとらわれずに全く新たな観点から可能性を検討することも重要である。さらに、地域の中堅・中小企業再生の基盤となるのは、地域経済や産業の再生ないし活性化であるため、視野を拡大し、地域再生について金融機能や金融スキームの観点から調査・研究した。第一に、農業ファンドの取り組みについて、投資ファンドや金融機関の動向を調査した、第二に、林業ファンドの取り組みについて、投資ファンドの動向を調査した。第三に、自然エネルギーファンドの取り組みについて調査を行い、風力発電、太陽光発電、小水力発電が市民出資形態で拡大していることを調査した。これらの自然エネルギーファンドは、エネルギーの地産地消を進めるとともに、マネーフローの地産地消にもつながるものと考えられる。特に、2011年3月の原発事故は、今後エネルギーのあり方を見直し、エネルギーシフトを促す契機となる可能性が高い。自然エネルギーへの投資にはかなり大規模な投資・金融スキームが必要であり、それが実現されれば、地域再生や地元の中堅・中小企業の活性化に寄与する可能性がある。
|
Research Products
(8 results)