2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20530302
|
Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
寺村 泰 Shizuoka University, 人文学部, 教授 (20197809)
|
Keywords | 経済史 / 輸出振興 / 経済政策 |
Research Abstract |
本研究は、日本における産業政策の果たしてきた多面的機能を解明するためにとりわけ輸出振興政策に関して実証的研究を行なうものである。本年度は、独占禁止法の適用除外法である湯収入取引法に基づく輸出カルテル助成政策の立案・成立過程に関して解明し、2本の論文にまとめて公刊したほか、1本を脱稿し東京大学出版会から出版予定の著作の一つの章として公刊予定である。これら一連の著作において、通産省による戦後日本のカルテル助成体制が1931年のカルテル3法体制をモデルとして構想されたことなどが初めて解明された。 また、以上の研究を深化させるために、輸出カルテルの実態を解明しなければならないが、いまだこのような研究は皆無であり、一次資料の発掘が必要な状況にある。そこで、輸出カルテルの母体となった輸出組合に調査を集中的に行なった。32の輸出組合のうち、現在継続している団体および後継団体が判明する団体に対して資料保存に関するアンケート調査を行ない、資料の保存が確認された団体に対して訪問調査を行ない、デジタルカメラを利用して資料の撮影・収集を行なった。調査の概要と成果に関しては、報告書をまとめた。この調査は、陶磁器輸出組合関係の資料がまとまって発掘されるなど大きな成果をあげた。 このほか、各輸出組合史との文献収集を行なった。 デジタルカメラで収集した資料は、順次ハードコピーを行ない、詳細な資料リストの作成を行なった。 研究の成果に関しては、東京における研究会などで随時発表した。
|
Research Products
(3 results)