2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20530313
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
藤井 信幸 Toyo University, 経済学部, 教授 (40222260)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
張 楓 広島大学, 社会学研究科, 研究員 (30467758)
富永 憲生 広島市立大学, 国際学部, 教授 (70172195)
中島 裕喜 東洋大学, 経営学部, 准教授 (50314349)
辻 智佐子 城西大学, 経営学部, 准教授 (70383172)
大森 一宏 駿河台大学, 経営学部, 教授 (90247594)
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Keywords | 地域産業 / 木材工業 / 中小企業 / 電球工業 / 戦後日本 / 機械工業 / 家具工業 / タオル工業 |
Research Abstract |
<地方機械>1960年代~70年代に機械工業の生産は地方にまで広がって雇用をかなり創出した。それは農家の兼業化を促す一因にもなった。しかし生産性の改善に伴い、雇用の創出力は低下し始めた。機械工業は地域開発の担い手として役割を喪失しつつあったといえる。 <家具>高度成長期には、高級婚礼家具への強い消費志向を背景に、新興産地でありながら、備後府中が全国有数の産地に成長した。その形成と成長にとって重要な条件として、見本市の機能、高級品量産体制の確立と技術力の育成、自発的組織活動の3点が指摘できる。 (木材)広島市出島埋立地に形成された出島木材団地は、1960年代に主要木材団地の一つとなった。同団地は、住宅需要の拡大等を背景に順調に成長したが、石油危機後は停滞し、1990年代に解体した。解体した一因は、業者同士の結びつきが強くなかったことにあった。 (クリスマス電球)戦後拡大したアメリカ向け輸出品の多くは東京の零細業者によって生産され、輸出は貿易業者や雑貨販売業者が担った。アメリカでも大手メーカー糸列下にあるセットメーカーと独立系中小工場に二分されていた。輸出の多くが後者に販売された結果、技術革新につながる契機が生ぜず、やがて後発の台湾製品に駆逐された。 (陶磁器)瀬戸地方のノベルティ生産を中心に、高度経済成長期から1970年代末までの各産地に関する調査報告書の収集と検討を進めた。高度経済成長期におけるノベルティは、アメリカ市場中心に輸出が増加したが、石油危機を境に競争力を失い、産地レベルでの対策が練られるようになった。 (タオル)今治のタオル産業は、高度成長期に国内需要と輸出の増加によって成長を遂げた。その要因として、地理的条件に加え、独自技術による高級タオル生産、自発的新商品開発などがあげられる。さらにキリスト教思想の影響を受けたキーパーソンの存在も指摘できるが、この点については次年度において考察を深めたい。
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Research Products
(4 results)