2010 Fiscal Year Annual Research Report
戦後日本の中小企業における労使交渉の制度化-オーラルヒストリーによる検証の試み-
Project/Area Number |
20530314
|
Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
梅崎 修 法政大学, キャリアデザイン学部, 准教授 (90366831)
|
Keywords | オーラルヒストリー / 労使関係 / 中小企業 / 労働組合運動 |
Research Abstract |
本研究では、中小企業における労使交渉方式が、いつ、どのような形で制度化されたのかを検証した。そのために、中小企業労使と産業別労働組合専従者のオーラルヒストリーを実施し、それぞれの利害関係を踏まえて交渉過程を分析した。そこから、大企業の労使関係とは異なる中小企業独自の特徴を捉えられる。具体的には(1)産別労働組合の影響力、(2)企業別労働組合の連帯の難しさを確認する。労働組合間の対立と協調に関しては、労働組合アンケートからも分析した。 まず、オーラルヒストリー調査としては、2009年度に引き続き、全繊同盟(現UIゼンセン)のリーダーを対象に調査を行った。また、金属産業の労使関係史について以下の論文を作成した。 「終戦直後における賃金制度の変動-「経営協議会」史料(1945~1949)の分析-」『日本労働研究雑誌』No.596(2010年)(南雲智映と共著)pp.99-113 「統一労働協約締結をめぐる労使交渉-中小企業労使関係の事例-」『立教経済学研究』(南雲智映・島西智輝と共著)第63巻4号pp.69-106(2010年) また、アンケート調査の分析では、主に産別組織の役割と中小企業労使の調査を分析し、以下の論文を作成した。 「組織化と労働条件決定における産別労働組合の役割」『法政大学キャリアデザイン学部紀要』第7号(南雲智映と共著)pp.329-358(2010年) 「中小企業における従業員発言機構の機能」『日本労務学会誌』第12巻2号(田口和雄と共著)pp.43-61(2011年)刊行予定
|
Research Products
(12 results)