2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20530322
|
Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
河合 篤男 Nagoya City University, 大学院・経済学研究科, 教授 (10275117)
|
Keywords | 企業革新 / 変革型リーダー / CEO育成 |
Research Abstract |
本研究は、大企業において革新を推進する資質を有する、経営者の発掘と育成に関する研究である。その出発点として、平成20年度においては、日本の大企業における、マネジメント能力の獲得プロセスとその基盤となる教育プログラムとの関係性を中心に調査を進めた。優れた経営者の発掘と育成に関しては、しばしば米国の大企業のファスト・トラックが取りあげられる。一流のビジネス・スクール修了者が、キャリア初期から経営者候補として育成される仕組みである。この議論によれば、ビジネス・スクールへの入学段階で、各スクールのアドミッション・オフィスが、将来の経営者としての基盤を評価していることとなる。つまり、経営者としての資質、あるいは基盤が、(大学や大学院教育を含めたキャリアの)かなり早い段階で形成される可能性を暗示している。これまで、日本の大企業における経営者の発掘と育成プロセスにおいては、大学の教育プログラムが社会人としてのキャリアスタートへの窓口の中心となっている。そこで、大学での教育プログラムを含めた社会人のマネジメント能力の獲得プロセスを明らかにすべく、日本の大企業において経営者や経営幹部に登用された人々に対するヒアリング調査を実施した。アクセスビリティーの観点から、日本の大企業に多くの人材を輩出している慶大経済学部加藤寛研究会(卒業生数660名)を調査対象に設定した。卒業生に対するヒアリング調査から、マネジメント能力と人材育成(教育プログラムと実務経験)との相関を測定する質問票のグランドデザインを探った。21年度は、実際に質問票による実証研究に移行する。
|