2010 Fiscal Year Annual Research Report
病院組織において組織管理システムが患者満足、及び業績に与える影響の研究
Project/Area Number |
20530344
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
竹田 明弘 和歌山大学, 観光学部, 准教授 (90330505)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 良子 大阪学院大学, 企業情報学部, 准教授 (00330118)
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Keywords | 経営管理 / 医療経営 / 患者満足 / 職務満足 |
Research Abstract |
本年度は組織管理システムについて(1)動機づけに影響を与える本質的な要因について、その可変性、およびそれに影響を与える管理の仕組みについて(2)看護師のキャリアアンカー、職務満足要因について質問票調査した。 (1)についてはA病院、B病院の2医療機関11人を対象にヒアリング調査を実施した。調査から、看護師の動機づけの影響要因は、若年時にどのような管理の仕組みのもとでキャリアを過ごすかに強く影響を受けて変化していくこと。具体的に、多くの看護師はキャリア初期には外発的要因をモチベータとして最も重視していた。しかし、キャリア初期に自己決定感を喚起させる環境下で仕事を行った看護師は、モチベータとして内発的要因を最も重視するように変化していった。つまり、キャリア初期にどのような管理の仕組みの下で仕事をするかがその後のモチベータ要因に大きな影響を与えることが明らかになった。 (2)については、看護師のキャリアアンカー、職務満足要因について公的医療機関A病院、B病院所属の看護師を対象に質問票調査を実施した。調査結果から、生活と仕事のバランス、職業としての保障安定であることが最も重要な動機であるごとが明らかになった。私生活の充実、仕事に見合う報酬と時間のバランスを整備することが看護師の職務満足には重要であることがわかる。 後期高齢者比率が一層高まっていくことで国民受診率は増加することが予想される。わが国の国家財政を考えると、国民医療費の削減は避けられない。仕事に見合う報酬と時間に医療機関が応えていくことはますます困難な状況である。看護師の本来的な就業動機と現状リンクしないことによるモチベーションの低下は避ける必要がある。看護師の内発的動機を高めるような管理の仕組みの構築、さらには看護師の動機づけ要因を変化させることが求められる。
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