2009 Fiscal Year Annual Research Report
共同プロジェクトにおける日本と中国の思考方式に関する比較研究
Project/Area Number |
20530361
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
高久保 豊 Nihon University, 商学部, 教授 (20246804)
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Keywords | 経営学 / 日本 / 中国 / 共同プロジェクト / 思考方式 / 組織 / リーダー / コミュニケーション |
Research Abstract |
本研究課題の目的は、日本と中国との間の共同プロジェクトの実施過程において、日本側と中国側の各組織のリーダーもしくは実施チームのメンバーがプロジェクトに対して描くイメージや考え方のギャップが生じる原因を探求し、こうしたギャップによるプロジェクトの不成功を未然に防ぐためのマネジメントをいかに構想したらよいかを具体化することにある。 平成21年度は、中国企業ならびにこれに大学・学会等が介在して展開されるプロジェクトを中心にして、基礎的な聴き取り調査と関連文献・資料の収集を行った。結果の概略は以下の通りである。 (1)大学における研究との連携を有し、先進的なコア技術を有する中国企業の場合、欧米企業との間では双方のメリットを踏まえてさまざまな形の提携が進行しているが、日本企業との間では必ずしも順調に提携が進んでいない場合がある。その理由として、a日本企業からみた当該中国企業の技術水準が「高い」と認識されていない、b日本企業が中国企業に対して高い水準の技術を求めていない、c当該中国企業の製品に対して、日本政府の許認可が下りない場合が想定される。 (2)このような中国企業について深めてみると、コア技術の水準はかなり進んでいることのみに高く依存しているため、かつて北京・中関村のハイテク企業において広く見られた現象に似たものとして、マーケティングやマネジメントに対して相対的に無頓着であることが予想される。とはいえ、日本企業との提携については、日本市場自体の参入の難しさも関連している可能性がある。 これらの結果を踏まえ、平成22年度は、共同プロジェクトに関わるキーパーソンや関連する人々に対する発展的な聴き取り調査を中心にして、研究をまとめていく予定である。
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Research Products
(2 results)