2010 Fiscal Year Annual Research Report
多様化する部下の就業形態に対する管理職の認知とその役割
Project/Area Number |
20530365
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Research Institution | Wako University |
Principal Investigator |
坂爪 洋美 和光大学, 現代人間学部, 教授 (10329021)
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Keywords | ワーク・ライフ・バランス / 両立支援策 / 組織コミットメント / リーダーシップ行動 |
Research Abstract |
平成23年度は、両立支援策の運用が管理職に与える影響と、管理職を通じて部下に与える影響を検討することを目的として、以下の2点について検討を行った。 第一に、両立支援策の運用状況(導入からの年月ならびに運用状況)、なかでも両立支援策利用者を部下とした経験の有無が管理職に与える影響、さらには管理職を通じてその直属の部下に与える影響を検討した。その結果、両立支援策を利用する者を部下とする経験は、管理職の組織コミットメントを高めることが確認された。現在、両立支援策が従業員に与える影響を説明する理論的枠組みとして社会的交換理論が用いられることが多いが、本分析の結果は、部下の社会的交換を支える行為が、社会的交換と同等の効果をもたらすことを示したものであり、両立支援策が従業員に与える影響を説明する理論的枠組みの拡大をはかることが必要であることを示すものである。また、管理職が両立支援策を利用する者を部下とする経験は、現在の直属の部下の組織コミットメントにも影響を与える。すなわち、両立支援策は管理職に「両立支援策利用経験」を付与することを通じて、両立支援策による社会的交換が成立しえない従業員に対しても影響を与えることが示された。この点も両立支援策が従業員に与える影響を説明する理論的枠組みの拡大をはかることの必要性を示唆するものである. 第二に、管理職が「両立支援策を利用する者を部下とする経験」を有することの影響をより詳細に検討することを目的として、調査を実施したことである。従業員規模300名以上の企業の管理職層を対象として、同経験がもたらす影響を組織コミットメント・リーダーシップ行動に与える影響を検討すべくインターネット調査を実施した。
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Research Products
(5 results)