2010 Fiscal Year Annual Research Report
集団規範による管理と多階層組織に関する理論的・実証的研究
Project/Area Number |
20530366
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
井上 正 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 教授 (70151610)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鵜野 好文 広島大学, 大学院・社会科学研究科, 教授 (40137394)
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Keywords | 経営学 / 集団規範 / 集団凝集性 / タダ乗り問題 / チーム生産 / 人的資源管理 |
Research Abstract |
リスク中立的なエージェントからなるチーム生産においては、均衡予算契約はフリーライダーの発生により効率的生産水準を達成できないことはよく知られている。そこで、効率的生麿水準を達成するため不均衡予算契約のもとで、プリンシパル・エージェント関係を形成する必要がある。本研究では、チーム生産に一種のグループ・ダイナミクスを導入することで、効率的生産水準を達成できる場合があることをまず明らかにした。 次に、実際にはエージェントは生産組織に帰属すると同時に社会組織(共同体)に属しており、同時にこれら二つの組織で契約や規範を遵守することを求められているので、このような二つの組織に帰属することで、一方の組織(社会組織)の協調が他方の組織(生産組織)の協調の促進にどのような影響を及ぼすのかを考察した。特に、単階層組織のパートナーシップ企業と単階層社会組織へ帰属した場合と、多階層組織のプリンシパル・エージェント企業と多階層社会組織へ帰属した場合の協調の促進を比較した。その結果、生産関係と社会関係とを結びつけることは、生産関係における協調を促進するという点では、同等程度に全エージェント関係の方が好ましいかもしれないが、社会関係における協調を維持する点では、生産関係の協調を優先することによる社会関係の構成の歪曲化の危険性を緩和できる可能性があることから、プリンシパル・エージェント関係の方が好ましいということが明らかになった。
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Research Products
(2 results)