2009 Fiscal Year Annual Research Report
超企業ネットワークの戦略形成過程における信頼と文脈性に関する実証研究
Project/Area Number |
20530376
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
小松 陽一 Kansai University, 総合情報学部, 教授 (10068140)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古賀 広志 関西大学, 総合情報学部, 教授 (20258312)
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Keywords | 企業間ネットワーク / 信頼 / 戦略形成過程 / 情報技術経営 |
Research Abstract |
企業間ネットワークにおける信頼形成の背後に見え隠れする組織間コンテクストを明らかにするため本年度は,予備的考察として,戦略概念と組織能力概念の文献レビューを中心に研究を進めてきた。その際,M.ポラニーの主張するような「研究室の伝統」という意味での「暗黙知」,あるいはサッチマンに代表される「状況的認知」の視点から,複数のアクターが織りなすハイブリッド(異種混合体)のネットワークの協働行為(実践)に注目することにした。そして,そのような実践を通じた「新しい手続きの蓄積」すなわち「実践を通じた学習」に着目することで,企業間ネットワークにおける戦略策定過程に対する独自の参照モデルを構築するための理論基盤を整備してきた。近年の経営戦略研究におけるキーワードの一つである「実践」に注目することで,より実践的な参照モデルの構築が可能になると考えたからである。なお,本研究でいう「実践を通じた学習」とは,現場の意思決定ないし問題解決を通じて,ある新規手続きが「手続き的記憶」として組織記憶として残り,結果的に,新たな行動レパートリーが浸透する場合を指している。そして,予備的考察を通じて,組織間ネットワークにおけるコンテクストと信頼構造こそが,あるルーティンが組織記憶として蓄積され浸透するか否かの試金石に他ならない,という仮説を抽出することに成功した。加えて,「実践を通じた学習」という視点に立脚することで,ビジネスモデル創出などの事業革新は,いわゆる「辺境」が優位であるとは言えない点,むしろ,革新の契機は,伝統の中から「微妙な差異」が創発されるのではないか,という視点から学会報告を行った。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article]2009
Author(s)
小松陽一, ほか(日本地方自治研究学会編)
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Journal Title
組織間ネットワークの形成と地域経済の活性化(『地方自治の最前線』)(清文社)
Pages: 15-34
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[Journal Article]2009
Author(s)
関口恭毅, 古賀広志, ほか
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Journal Title
情報品質の研究(担当分:システム開発と情報品質保証)(中央経済社)
Pages: 72-90
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