2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20530377
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
團 泰雄 Kinki University, 経営学部, 准教授 (60298502)
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Keywords | 企業グループ / 組織再編 / 人的資源管理 |
Research Abstract |
本研究は、近年において企業グループ組織の再編が容易に行える条件が整った中で、出向・転籍という日本において従来から広く行われてきた雇用慣行がどのように変化しているのかを明らかにし、今後の企業グループ経営について、人的資源管理という観点からの知的水準の向上を目的としている。 2年目である本年度は、昨年度に引き続き、人的資源管理論、組織論、管理論、労働経済学など、企業グループと出向・転籍に関連する文献研究を行った。さらに、それらに昨年度実施した人事担当者へのインタビュー調査などによって得られた知見を加え、論文として成果をまとめた(次年度早々に公刊される予定)。 そこでは、単一の企業グループの事例に対する詳細な分析を行った。結果をまとめると、以下の通りである。グループ経営は意識されており、組織再編は進展しているが、それが人的資源のあり方に大きな変化を及ぼすまでには至っていないことが示唆された。例えば、持株会社へと組織形態を移行させても、処遇制度は大きく変わっておらず、また人材育成についてもグループ全体を巻き込んだ姿にはなっていない。しかし、グループ経営に即した人的資源管理への試みも行われつつあることもまた、分析で見出された。 また、日本の上場企業1,000社に対して質問票調査を実施した。調査票は現在順次回収中であり、集計と分析については次年度前半に行う予定である。最終年度となる次年度は、質問票調査回答企業のうち、承諾を得られた企業に対してインタビューを行い、さらに今回の質問調査を発展させる形での質問票調査を行うことを検討している。
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Research Products
(1 results)