2009 Fiscal Year Annual Research Report
ネット上のクチコミ情報がもたらす質的影響と量的影響に関する研究
Project/Area Number |
20530381
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
澁谷 覚 Tohoku University, 大学院・経済学研究科, 教授 (00333493)
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Keywords | インターネット / クチコミ |
Research Abstract |
4カ年にわたりネット上のクチコミ情報が受け手に及ぼす影響を、質的側面と量的側面とにおいて測定する研究計画の2年目にあたる平成21年度は、1年目から継続して質的影響に関する実証実験の展開研究を行った。 被験者は東北大学の学部学生60名で、4つのグループに分かれ、インターネット上に設置された実験用Webにアクセスし回答した。実験用Webは、リゾートホテルに関する情報を閲覧し、回答するものであった。実験では、クチコミ情報を閲覧する被験者とクチコミの発信者との間の類似性が高いグループと、類似性が低いグループが設定された。また、被験者が選択したリゾートホテルに、すでに宿泊したと説明される架空の他者のクチコミの内容と、当該他者と被験者自身との類似属性のうちの1つが、因果関係(結合関係)によって関連づけられたグループと、そのような因果関係が呈示されない実験条件が設定された。したがって本年の実験においては、以上の2つの要因を組み合わせた4つの実験条件(高類似・結合、低類似・結合、高類似・統制、低類似・読制)が設定され、それぞれにおけるクチコミの効果を比較した。 実験の結果、結合条件の被験者は、選択したリゾートホテルに対する利用意向が有意に高かった。このことから、類似属性とクチコミとの因果関係がクチコミの閲覧者に対して、ある種のレコメンデーション効果を有することが示された。
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Research Products
(2 results)