2010 Fiscal Year Annual Research Report
動的個人モデルを用いたマイクロデータからの個人行動のメカニズム解明
Project/Area Number |
20530382
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
佐藤 忠彦 筑波大学, 大学院・ビジネス科学研究科, 准教授 (40400626)
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Keywords | 動学的モデル / 状態空間モデル / ベイズモデル / 粒子フィルタ / マーケティング / ID付POSデータ |
Research Abstract |
平成22年度の研究は,階層ベイズモデリングの枠組みによるID付きPOSデータを用いた計量分析として行った.ID付きPOSデータとは,総合スーパーやスーパーマーケットで日々蓄積されている番号化された形で個人が特定できる時系列購買データであり,最も集計されていないデータである. 研究は,マイクロ・マーケティングの現象に関連したテーマを研究した.特に本年は消費者のforward looking行動に焦点を当て研究を進めている.この課題は,昨今マーケティングサイエンス研究で脚光を浴びつつある新規性の高い研究であり,今後益々発展を望まれている研究課題であるといえる. 具体的には,消費者の小売店舗でのブランド選択行動と売上に対して期待プロモーションと呼ばれる潜在変数が影響するかどうか,影響する場合どのような構造でどの程度影響するかをベイジアンモデリングの枠組みでモデル化し,評価している.また,消費者の動的来店行動に関しても研究を行った.モデル化は階層ベイズモデルおよび状態空間モデルの枠組みで行い,その推定にはMCMC法とKalmanフィルタと呼ばれるアルゴリズムを用いた.モデルは実際のID付POSデータへ適用し,その有効性の検証を行った.その結果,提案モデルが有効であることが示唆されている.
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