2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20530385
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
坂本 和子 Kyoto Institute of Technology, 工芸科学研究科, 准教授 (50379070)
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Keywords | 消費者行動 / デザインテイスト / 国際比較 / 東アジア圏 |
Research Abstract |
本年はデザインとマーケティングの関連に関して、文献調査等からいくつかの仮説を導出し、それをもとに2つの調査分析を行った。ひとつは東アジア圏(日本、中国、韓国)における国際比較で、具体的には購買要因としてのデザインの位置づけを明らかにした上で態度や購入意向に影響するイメージ要素の抽出、さらにデザインの物理特性とイメージ特性の関係や抽出されたイメージ要素と造形特徴との関係について考察するものであった。3力国の調査分析をした結果、購入の際に重視する要素として、日本は「形」、「価格」の順であったのに対し、中国、韓国は「価格」、「形」と逆転し、日本以外の2力国が圧倒的な価格志向であることがわかった。さらに中国はデザインの物理特性に対し、言葉による把握を行い評価する傾向があった。また、韓国は態度とイメージ特性の関係からスタイリッシュなものを好み、造形特徴分析からそれが薄くて丸みを帯びたものと認識されていた。日本も同じくスタイリッシュで現代的なものを好み、造形特徴としては薄くてシャープなものと感じていることがわかった。以上のことから、文化・歴史的背景から導出した傾向は実際のデータにより、現代においても概ね支持できることがわかった。 もうひとつは視点を地域ブランドに移し、国内においてブランド力が強い地域ブランドのブランド資産活用により弱い地域ブランドのブランド価値を高めることが可能かどうかを検証した。結果は柄のテイストを付与すれば、元のブランド(弱いブランド)よりも購入意向が高まるが、色を付与しても購入意向は高まらないことがわかった。 以上のことから、地域テイストの複合研究とアジア圏での国際比較により、デザインのマーケティング戦略に関する有益な知見を得ることができたと思われる。
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Research Products
(9 results)