2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20530391
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
江澤 雅彦 Waseda University, 商学学術院, 教授 (80185115)
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Keywords | 顧客志向性 / 保険会社格付け / ドイツ・アセクラータ社 / 大規模生協共済 / 相互扶助 / 情報提供(開示) / 乗換募集 / 商品比較情報 |
Research Abstract |
平成20年度において発表した論文は、以下の2編である。 (1)「ドイツの保険会社格付けについて」 研究代表者は、保険経営の顧客志向性を示す1つのメルクマールとして生保会社の情報開示制度を捉え、同制度を補完するものとして保険会社格付けを位置づけている。こうした視点に立ち、本稿では、従来の保険会社格付けに、「顧客志向性」という評価要素を加えることの重要性を強調した。またその具体的事例としてドイツで最初の格付機関であるアセクラータ社(ASSEKURATA)を取り上げてその実務内容を検討し、さらにわが国保険市場にも、見込客、あるいは契約更新に向けて保険会社を選別する既契約者に対しもっぱら保険会社選択情報を提供する格付機関が必要であると結論づけた。 (2)「大規模生協共済のアイデンティティー」 本稿では、改正保険業法下において保険業界と接近した大規模共済が組合員による相互扶助制度としての共済事業のアイデンティティーを打ち出すべき運営努力として、(1)共済・保険に関する学習機会の積極的提供、(2)共済契約者からの意見反映を通じた「間接的自治」の実現を挙げた。本研究課題との関連では、特に(1)について、営業職員による見込客あるいは既契約者に対する情報提供(開示)を規制した保険業法第300条1項4号の「不利益となるべき事実の不告知による乗換募集」あるいは同項6号の「誤解させるおそれのある商品比較情報の提供」といった事態を生じさせないことが肝要である旨の主張を行った。
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Research Products
(4 results)