2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20530391
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
江澤 雅彦 Waseda University, 商学学術院, 教授 (80185115)
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Keywords | 大規模共済 / アイデンティティ / 間接的自治 / 第3分野 / 超過保険 / アンダーライティング / 死差益 / 保険金不払い問題 |
Research Abstract |
2009年度中の研究業績は以下のとおりである。 (1)「保険と共済の「境界」について」『保険学雑誌』第605号 本稿のテーマは、保険と、その類似制度としての共済事業-とりわけ大規模生協共済-との「境界」である。後者は、近年の法律改正等の環境変化により、保険会社にとっての「外部者」から「競合相手」に変化した。こうした新たな段階に達した共済事業は、保険会社に対してそのアイデンティティーを発揮するために、(1)組合員への契約的推進の枠を超えた共済・保険に関する幅広い学習機会の提供、(2)共済契約者からの意見反映を通じた「間接的自治の実現確保」に努める必要があろう。 (2)「個人向けの主力商品・医療保険の現状と課題」『金融財政ビジネス』10,066号 最近の10年間、主力商品は医療保険となっている。この「第3分野の保険」については、従来存在した生・損保間の業務範囲規制が2001年から撤廃され、外資系会社も含めた保険業界全体で品揃えが進み、積極的な販売活動が展開された。 ただし、保険価額について曖昧さを残す医療保険は超過保険状態が起きやすい。個別会社においてこれを防ぐのはアンダーライティングである。社会問題として大きく報じられた「保険金不払い問題」は、死差益獲得を目指した生保会社が、このアンダーライティングを「過度に」進めた結果ともいえる。保険金の不正請求を本質的に誘発しやすい民間医療保険に対して「必要かつ十分な」アンダーライティング制度を速やかに再構築する必要がある。
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Research Products
(4 results)