2010 Fiscal Year Annual Research Report
消費者参加型新製品開発における消費者行動と開発成果との関係についての実証研究
Project/Area Number |
20530393
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
西川 英彦 法政大学, 経営学部, 教授 (10411208)
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Keywords | 製品開発 / 消費者行動 / ユーザー・イノベーション / インターネット / 創発 |
Research Abstract |
本研究は、消費者参加型新製品開発プロセスにおける消費者行動と、そのプロセスを通じて開発された製品の成果を理論的・実証的に明らかにすることを目的とする。3年目である本年度は、本研究の目的である消費者参加型新製品プロセスにおける消費者行動と製品の市場成果との関係を明らかにするために、実際にプロセスに参加した消費者のデータの収集および分析を通して、本研究分野の研究者および実務家と打ち合せしつつ、研究を進める計画であった。 その研究状況としては、当初の調査設計を改善し、企業が保有する消費者の行動データを入手することで、最終的な研究目的の達成に向けて、大きく進展するものとなった。さらに、それだけでなく、その過程において新たな発見も加わった。本年度の具体的な成果は、以下の3点が挙げられる。 第1に、消費者参加型新製品開発の各プロセスにおける消費者の行動と、購買などの成果との関係を明らかにすることができたことである。先行研究においては、アイデアが採用された消費者が購買につながるだろうと、そもそも前提として考えられていたことが、必ずしも見られる現象ではないということが分かった。その一方、アイデアが採用されていない消費者が購買につながっていることも明らかになった。 第2に、消費者参加型新製品開発の各プロセスにおいて、多様な消費者のアイデアが複合的に組み合わさることで、製品の成果につながっていることが明らかになった。こうした発見も、先行研究では充分に明らかになっていない点であった。 第3に、コミュニティ・マネジメントの重要性が指摘できた点も成果である。各プロセスにおける消費者の行動が成果に上手くつながるように、プロセスの公開方法や、意見の集約方法など、企業がコミュニティのマネジメントを実施することが重要であることが明らかになった。
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Research Products
(10 results)