2009 Fiscal Year Annual Research Report
日本における有機農産物の効率的流通システムの構築に関する研究
Project/Area Number |
20530395
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Research Institution | Osaka University of Commerce |
Principal Investigator |
酒井 理 Osaka University of Commerce, 総合経営学部, 准教授 (30411466)
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Keywords | 有機農産物 / 流通システム / 消費者行動 |
Research Abstract |
本研究は、消費者の多様なニーズに応えつつ、日本における「安全」で「安心」できる農産物を供給する流通システムのモデルを考案することを目的とし、特殊な農産物の流通を苦手とする卸売市場流通システムの問題点を克服し、日本独自の有機農産物の流通システムのモデルを提案することを考えている。 本年度は、平成20年11月24日日本経営診断学会第41回全国大会において「農産物流通における生販直接取引システムの成立条件」というテーマでの発表にもとついた論文を日本経営診断学会論集9に投稿した。また、これまでの研究をベースに、平成21年12月19日日本経営診断学会関西部会において消費者の付加価値に対する支払意志額による直接取引システム成立への影響をモデルによって検証したものを発表した。その結果、直接取引システムが成立するための支払意志額では、まだまだ一部の消費者しか賛同しないという結果となったものの、わずかながらも当該システムが成立する可能性があることが判明し、今後の研究の焦点を明確にすることができた。 国内の中央卸売市場の現状を実地調査するとともに、海外における有機農産物の普及状況を調査するために、オーガニック消費の先進地であるサンフランシスコ、シアトルのオーガニックスーパーマーケットの現状を確認するとともに、都市近郊農家の直接販売する仕組みとして市民権を得ているファーマーズマーケットの現状を確認し、日本の有機農産物流通の可能性を検討する研究材料とすることができた。
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