2009 Fiscal Year Annual Research Report
簿記の記録・計算システムの発展プロセスに関する研究
Project/Area Number |
20530403
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
原 俊雄 Yokohama National University, 経営学部, 教授 (50265378)
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Keywords | 複式簿記 / 簿記理論 / 簿記教育 / 簿記史 / 簿記教科書 / 勘定科目 |
Research Abstract |
本研究の目的は,決算中心主義の簿記,財務諸表的簿記に傾斜している今日の簿記学に対して,日・英・米の文献等を手がかりとして,会計管理という簿記本来の役割を踏まえた簿記学の再構築を企図するとともに,簿記の理論及び教育上の諸問題を再検討することにある。 今年度は,数年前から日本簿記学会の各種研究部会の研究課題として取り上げられているだけでなく,平成20年よりEDINETに導入されたXBRLに関連して実務界でも重要なテーマとなっている勘定科目の標準化について再検討を行った。これまでは,財務諸表の作成という見地を中心に勘定科目の標準化が行われ,新たな勘定科目の設定も,会計基準等の科目をそのまま使用することが通例であった。これに対して,利用者の視点に立った財務諸表上,求められる項目の標準化,一覧性という側面と,経営者の視点に立った経営管理という役割を担うための簿記で求められる詳細性という側面の間の相剋を調整する方法として,統制勘定,組替手続,決算集計勘定という3つの手法を取り上げ,帳簿上,勘定科目を開設するにあたって,財務諸表との関係だけでなく,簿記の原点とでもいうべき帳簿組織,会計システム全体の見地から検討すべきであることを明らかにした。また,勘定科目の再検討の一環として,検定試験等で出題されるためにテキストで取り上げられている商品の特殊な売買取引に係る勘定科目を中心に,理論上の問題点を検討し,21の勘定科目について平成22年度に出版予定の勘定科目に関する辞書に投稿した。
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Research Products
(1 results)