2008 Fiscal Year Annual Research Report
内部統制を介したフランス・コントロール論へのガバナンス概念の包摂
Project/Area Number |
20530413
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
大下 丈平 Kyushu University, 経済学研究院, 教授 (60152112)
|
Keywords | マネジメント・コントロール / 内部統制 / ガバナンス / 管理会計 / パラドックス / フランス |
Research Abstract |
内部統制を介したフランス・コントロール論へのガバナンス機能の包摂の意味を明らかにする過程で、以下の4つの論点を提示できた。それは管理会計やコントロールの基本原理と発展の行方を示唆するものである。 1管理会計の発展は企業組織の経済モデル化の次元で考えるべき 2マネジメントの主たる領域が技術・生産志向性から組織・市場志向性へと移行:そのことがコントロールのパラドックス性を認識させた 3マネジメント・コントロールはそのパラドックスを緩和するための方法論の体系として再編されるべし 4企業不祥事、会計不正を背景とした内部統制論議はガバナンスをコントロールする方策を考えさせている(ガバナンス・コントロールの構想) 本研究の主たる成果は、上の第4の論点にあるガバナンス・コントロールという新しい領域の必要性を提唱したことである。昨今、企業不祥事・会計不正を背景としたコーポレート・ガバナンス論議を契機として、ガバナンスをコントロールする必要性が語られているが、本研究は内部統制論議を通して、こうした問題提起にマネジメント・コントロール論の方から答えようとしたものである。 もう一つの成果は、このガバナンス・コントロールの領域を提唱するなかで、生産、マネジメント、ガバナンスという経営上のライン機能を示すコンセプトと、管理会計(工業会計/分析会計を含む)をべースとしたロントロール(マネジメント・コントロールとガバナンス・コントロール)という経営上のヌタッフ機能を示すコンセプトの2つを整合的に明らかにすることができた点にあるであろう。この概念整理によって、会計、コントロール、ガバナンスなどを巡る議論が活発化することが期待される。
|
Research Products
(6 results)