2009 Fiscal Year Annual Research Report
グローバル資本市場の財務報告とコーポレートガバナンスに関する理論的・実証的研究
Project/Area Number |
20530426
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
薄井 彰 Waseda University, 商学学術院, 教授 (90193870)
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Keywords | 財務報告 / コーポレートガバナンス |
Research Abstract |
本年度は、わが国における金融のグローバリゼーションと財務会計の主要な特徴の関係を調査した。とりわけ、金融のグローバリゼーションの進展度と保守主義の関係を調査している。また、アジア諸国の会計制度について新たに聞き取り調査を開始した。本研究の実証結果を確認するため、金融グローバリゼーションと国際財務報告基準(International Financial Reporting Standards : IFRS)のコンバージェンスの進捗の関連性についてパイロットテストを実施している。さらに、企業属性とコーポレートガバナンスの質や財務報告の質の関連性を調査するため、監査法人、経営者の報酬形態、株式所有構造、取締役会の構成について、本研究の基礎となる長期統計データベースの開発を行った。各国の法的保護水準の相違は企業の財務報告の質に影響を及ぼすと予想される。そこで、日本、海外諸国(EC、米国ほか)において、会計基準のコンバージェンスとIFRSの実施状況と各国の市場・経済環境要因の関連性を調査している。IFRSの実施についてはグローバル展開している大手監査法人の役割が一層重要になってきている。それゆえ、監査法人の聞き取り調査も加えている。現在、日本では、2010年3月期からIFRSの任意適用が始まる。IFRSの実務対応は、日本企業にとって喫緊の課題である。本研究の基礎調査は、日本企業のIFRS実務対応、および、日本市場の株価形成の影響に関して、重要な基礎データを提供する意義をもっている。
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