2008 Fiscal Year Annual Research Report
日本的予算管理システムの特質に関する実証研究-国際比較研究の観点から-
Project/Area Number |
20530430
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Research Institution | Kyoto Gakuen University |
Principal Investigator |
李 建 Kyoto Gakuen University, 経営学部, 准教授 (10298680)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梶原 武久 神戸大学, 経営学研究科, 准教授 (30292080)
松木 智子 帝塚山大学, 経営情報学部, 准教授 (10347180)
福田 直樹 追手門学院大学, 経営学部, 准教授 (90388405)
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Keywords | 予算管理 / 比較研究 |
Research Abstract |
本研究は、日本的予算管理システムの特質を明らかにすることを狙いとしている。そのためのベースとして、平成20年度は、日本と欧米の文献に見られる予算研究ならびにその周辺研究をレビューし、今後の研究課題を提示することができた。膨大な文献レビューから、日本と欧米の研究の間に、メインとなるトピックスや研究へのアプローチの仕方にかなりの隔たりがあることが確認された。とりわけ、欧米の研究で持続的に研究が続けられているRAPM (Reliance on Accounting Performance Measures)研究に該当するものは、日本では皆無であった。こうした文献レビューの結果は、両者の間に予算管理システムの設計あるいは運用方法に何らかの相違があることを示唆するものであり、日本的予算管理システムに内在する特質を解明することが研究上大きな意義を持つことを物語っている。 一方、文献レビューの結果を踏まえて行われたヒアリング調査からは、日本企業の予算管理実務について、その全体像と運用プロセスに関する多くの知識を得ることができた。欧米を中心に、Beyond Budgetingに代表されるような予算に対する批判的な見方が存在するにも関わらず、日本企業では相変わらず予算は必要不可欠なものとして認識されており、若干の予算の弊害は運用の仕方を工夫することによって十分回避できるものと認識されている。これらの知識は、今後予定されている別のヒアリング調査においてさらに補完されることになろう。また、平成20年度に行った文献レビューやヒアリング調査等により、次年度以降の質問票調査のための基礎資料が提供されたといえる。
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Research Products
(11 results)