2010 Fiscal Year Annual Research Report
日本的予算管理システムの特質に関する実証研究-国際比較研究の観点から-
Project/Area Number |
20530430
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Research Institution | Kyoto Gakuen University |
Principal Investigator |
李 建 京都学園大学, 経営学部, 教授 (10298680)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梶原 武久 神戸大学, 経営学研究科, 准教授 (30292080)
松木 智子 帝塚山大学, 経営情報学部, 准教授 (10347180)
福田 直樹 兵庫県立大学, 経営研究科, 准教授 (90388405)
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Keywords | 予算管理 / 比較研究 |
Research Abstract |
前年度に引き続き、日本的予算管理システムの特質を明らかにすることを目的に、日本企業への成果主義の導入が予算管理システムに及ぼす影響を検討した。また、制度的要因が予算管理システムに与える影響を分析すべく、決算短信に含まれる経営者予測にも注目した。一方、日本的予算管理はハード面のシステムそのものよりも、そのシステムの運用の仕方に特徴があることについても検証を試みた。 具体的な研究の進め方としては、複数の代表的な企業へのヒアリング調査をメインにしながら、予算管理ベンチマーキング研究会の開催により、実務家から直接各社の中期経営計画や予算管理システムについて報告してもらい、実務家との質疑応答を通じて多くの知識と示唆を得ることができた。これまでの研究活動から、日本企業における予算管理は、中期経営計画を実現するためのアクションプランとして機能していること、従来から言われてきたとおり、予算実績が直接的に報酬決定に結びつく傾向は弱いこと、アクションコントロールやプロセスコントロールによる期中統制が重視されていること、などの特徴が明らかになった。また、脱予算経営(BB)の主張とは異なり、日本企業において予算管理はかなり有効に機能している側面もうかがえた。以上を踏まえ、予算管理システムについても、欧米モデルとは異なる日本独自のモデルの存在が示唆された。その結果、これまでほとんど注目されてこなかった日本的予算管理論を体系化していくことが理論的にも実務的にも非常に重要であることが認識された。
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Research Products
(3 results)