2008 Fiscal Year Annual Research Report
保険会計の構造分析による全面公正価値会計導入の影響分析
Project/Area Number |
20530431
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
松本 敏史 Doshisha University, 商学部, 教授 (90140095)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳賀 芳弘 京都大学, 経営管理研究部, 教授 (70163970)
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Keywords | 会計学 / 国際会計 / 公正価値会計 |
Research Abstract |
この研究の目的は,保険契約の会計をモチーフにして前世紀末から急速に影響力を持ち始めた公正価値会計(時価会計)に内在する特性を明らかにし,それがわが国の経済・産業界に与える影響(経済的帰結)を分析することにある。そしてそれに基づいて公正価値会計に関する政策的インプリケーションを抽出したいと考えている。 この研究の目的を達成するために,平成20年度は保険会計ないし公正価値会計の構造を明らかにすべく国際会計基準委員会が公表した討議資料,論点整理,原則書等を分析し,また公正価値情報が投資家の意思決定に与える影響について実験を行った。 このような研究活動の遂行中に勃発したのが,世界同時株安と金融危機の中で実施された「時価会計の凍結」である。この緊急政策の実施と各国おける会計基準の見直しの動きは,公正価値会計が引き起こす社会的弊害に対する危惧の反映であり,今や世界の資本市場はこの会計システムの社会的機能を解明するための壮大な実験場の様相を呈してきた。そこで我々は当初予定していた公正価値会計実務に関するアンケート調査に代えて,この国際的動向を注視することにした。具体的には,FASB, IASB, ASBJ等,世界の会計基準設定機関の議論や,SEC,金融庁等,各国の規制当局による制度改正の動きについて,現在,その情報収集と分析を行っているところである。
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Research Products
(18 results)