2009 Fiscal Year Annual Research Report
日本と中国における監査基準の実質的コンバージェンスの比較研究
Project/Area Number |
20530433
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Research Institution | Fukuoka Institute of Technology |
Principal Investigator |
李 文忠 Fukuoka Institute of Technology, 社会環境学部, 教授 (60341476)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千代田 邦夫 熊本学園大学, 専門職大学院・会計専門職研究科, 教授 (20090277)
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Keywords | 会計学 / 監査論 / 監査基準 / コンバージェンス |
Research Abstract |
今年度、中国を中心に研究調査を行った。上海国家会計学院、立信会計事務所(監査法人、以下同)、経隆会計事務所、上海財経大学、アモイ国家会計学院、アモイ大学、東北財経大学、中国公認会計士協会、国家図書館などを訪問し、中国の会計学者及び実務者と監査基準の国際的コンバージェンスについて、学術交流と意見を交わし、研究成果の発表に必要なデータ収集を行った。 中国の会計・監査領域における三大戦略(監査法人の合併拡大戦略、人材育成戦略、基準のコンバージェンス戦略)は中国政府の政治的戦略の一つであると明らかにした。また、最近中国公認会計師協会は、政策的に各地域の協会、監査法人、会計事務所などにおいて共産党組織の再構築を推進している。その理由は中国共産党第十七回代表大会において、「科学的発展観(科学的な発展理念)」が提唱され、その重要な一環として、推進してきた共産党の政策方針である。 一方、日本では2015年にコンバージェンスのロードマップが作られた。政府は中国のような政治主導ではなく、民間と政府などは一丸となって進むのが特徴である。 しかし、日中両国では共通している実務上の問題がある。すなわち、上場企業、大企業(国営企業を含む)、中小企業などに対して一つの監査基準で監査を行っている。監査現場において、公認会計士はコンバージェンスをした監査基準をもって、異なる国の異なる企業に対して監査を実施するのが、実質的にコンバージェンスの程度は異なるではないかと考える。これは、当初の研究課題でもあり、我々は今年度の研究調査と意見交換によって見解の立証を試みた。その成果は今後の学会で発表することにしたい。
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Research Products
(5 results)