2008 Fiscal Year Annual Research Report
社会的防災力としての広域連携のあり方に関する調査研究
Project/Area Number |
20530439
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
野田 隆 Nara Women's University, 人間文化研究科, 教授 (50189403)
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Keywords | 危機管理 / 新公共経営 / 集権モデル / 分権モデル / 広域連携 / 防災 |
Research Abstract |
政令市と東京23区を除く1723市町村に対して「基礎自治体の危機管理対応力基盤に関するアンケート」を実施した(平成20年11月〜1月)。有効回収率69.8%という郵送法では驚異的な高回収率となった。詳細な分析は、計画通り平成22年度に行うが、現時点でわかったことを示す。 1.危機管理体制について(1)人口の多い自治体の方がややNPM的な管理方針を導入している程度が高く、統合的な危機管理セクションを設置している割合が高い。ただし規模が大きいほど当該セクションの分掌事務数は減少傾向にあり、分業が進んでいる。 2.広域連携への準備については特段の傾向が見られず、隣接自治体とも会わない自治体〜隣接全市町村が定期的会合をもつ自治体まで多様な状況を示した。しかし、事前調整を要する課題については、例示した5つ全てにおいて、隣接市町村との日常のつながり具合と無関係に、ほとんど未検討という状態であり、広域連携を自律分散の地域連合モジュールとして準備できる状況にはないことがわかった。 3.合併後の新たな危機管理体制として、災害時に集権的体制をとるのは64%だが、合併前の体制を活かした分権的体制も36%見られた。平時における本庁-分庁関係の相違の影響は見られなかった。この点から見れば、広域連携も集権的なイメージを前提とした方が受け入れやすいと見られ、その点から、国民保護計画のような連携を広域連携とみなす編成にすることを検討するべきである。
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