2010 Fiscal Year Annual Research Report
社会的防災力としての広域連携のあり方に関する調査研究
Project/Area Number |
20530439
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
野田 隆 奈良女子大学, 大学院・人間文化研究科, 教授 (50189403)
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Keywords | 防災 / 広域連携 / ネットワーク・ガバナンス |
Research Abstract |
今年度は、過去2年で集めたデータ(自治体と一般事業所)を分析する年にあてていた。 ここまでの分析で得られた主要な傾向をあげると、以下の4点である。 1.広域連携を考える際、合併自治体に先取り的傾向が見られるのではないかと予想したが、むしろ、2自治体間でも会合をもつことは稀で、域内の消防力配分でさえ新旧の違いはなかった。 2.一方、民間事業所は、建設業と電気ガス水道・熱供給事業者が災害時に救援活動をする取り決めがあり、官民のネットワークの予定された構成要素といえよう。ただし、全面的な協力関係ではなく、車両の貸し出しと人的協力3のみであり、また行政以外の他の社会的単位との連携は1%程度に留まっている。 3.一般事業所の行政との連携は、「注文を受け配達する」というイメージであり、同業者団体から活動参加の要請を受けて活動する場合でも、自社に(なにをするかの)決定権限があるというイメージであるが、災対本部の指揮下で動くと想定する企業も、同業者の団体の調整を受けて行動すると想定する企業も多く、ネットワークのヘゲモニーに関する共通の理解というのは観察されなかった。 4.首都圏災害の救援を想定した設問では、地元の自治体や同業者の団体、国などがそれぞれ要請してきても対応に困るので、一本化してほしいという意見が多かった。
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Research Products
(1 results)