2009 Fiscal Year Annual Research Report
現代移民研究の分析課題と日本におけるナショナリティの変容
Project/Area Number |
20530455
|
Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
伊豫谷 登士翁 Hitotsubashi University, 大学院・社会学研究科, 教授 (70126267)
|
Keywords | 移民 / 境界 / 場所 / グローバリゼーション / ナショナリティ |
Research Abstract |
2009年6月に開催されたオーストラリア国立大学アジア太平洋研究所におけるシンポジウム「Transmission of Academic Values in Asian Studies」において、日本の社会科学の制度化と地域研究をテーマとする「On the Institutionalization and Transformation of the Social Sciences in Japan」を報告した。また、8月に韓国の太田で開催されたICAS6(International Convention of Asia Scholars)においては、人の移動をめぐる現在の日本状況を桐野夏生の『東京島』を読み解くことを通じて明らかにした。また、2010年2月には、日本語教育の大会であるAOTSにおいて、基調報告『グローバル化と人の移動:現代の日本社会の状況と今後の展望』を行った。こうした報告によって、日本の社会科学のなかでの人の移動に関わる研究をあぶり出し、海外の研究状況の発信とともに、隣接分野との交流に努めた。また、「地域研究としての日本研究」をテーマとして、第一回(10月)は、V.コシュマン、酒井直樹氏を、第二回(1月)は、テッサ・モーリスースズキ氏を招き、ワークショップを開催し50名以上の参加を得た。 大学院博士課程の院生や若手研究者との間で、定期的な研究の機会を持った。研究会においては、各自が各々の領域における、人の移動研究が抱える課題を明らかにするとともに、移動から場所を問うという観点から、日本という場における人の移動研究の可能性を報告した。その成果は、出版が決まっている。
|