2008 Fiscal Year Annual Research Report
情報職業者のキャリア形成と「社会的能力の自己形成過程」の分析
Project/Area Number |
20530460
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
藤井 史朗 Shizuoka University, 情報学部, 教授 (00145971)
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Keywords | SE / 情報職業 / 生活史 / キャリア / 社会的能力 |
Research Abstract |
平成20年度は、理論研究としては、フーコー及びマズローの思想の検討を課題としていたため、これらの日本で入手し得る翻訳文献をそろえ、その全体像を確認した。成果としては、「日本の科学者」(2008年12月刊)掲載の論考において、戦後日本の労働をめぐる主な社会調査を検討し、マルクス「階級闘争論」が検証されず、それが相対化されている側面を浮き彫りにした。また、量的指標に基づいて対立を強調する分析方法に対して、「質的調査法」の現実把握におけるメリットを強調した。しかし、フーコーの理論の全体的な整理や分析は、来年度以降の課題として残された。 実証研究としては、静岡大学工学部を卒業している60歳〜75歳の浜松在住の方を対象として、生活史、大学での勉強と企業での仕事の関係、職場でのキャリア形成、現在の生活などについてのインタビュー調査を実施し、130ケースの調査対象者のうち、63ケースの方からの回答を得た。現在、データ入力を終了し、分析途中であるが、2006年、2007年調査の結果と同様に、浜松市及びその近郊の出身で静岡大学工学部に入り、製造業を中心とする地元の企業に勤めてきた対象者の、この地域コミュニティに根ざす勤労精神の内実を見いだすことができる。この成果は早急にまとめる予定である。
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Research Products
(1 results)