2009 Fiscal Year Annual Research Report
周辺的土地利用の実態―ベトナム農村における市場経済と非市場経済の狭間
Project/Area Number |
20530465
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
藤村 美穂 Saga University, 農学部, 准教授 (60301355)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻 一成 佐賀大学, 農学部, 准教授 (00253518)
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Keywords | 周辺労働 / 土地利用 / 移住 / ベトナム |
Research Abstract |
昨年度は、前年度に引き続き、ラオスのアタプー県、ソムスック村(オイ族が多い)にて、雨季の廃棄行動の実態調査と村落空間地図の作成を行うとともに、乾季の生業活動(とくにフードセキュリティ)についての聞き取りと参与観察を行った。ベトナムのホア・ビン省、ミット村(ザオ族が多い)については、村落の歴史(移住の経緯)や生業の実態についての聞き取りを行うとともに、ラオスと同様の廃棄行動調査を行い、村落地図を作製して空間の利用や観念をあきらかにすることを試みた。また、キー・インフォーマント(老若男女6名程度)によって村落内の家庭をランク付けし、対象を絞って、生活・農業・廃棄の実態に関する細かい質問し調査を行った。また、村落の歴史についてのベトナム語での記録を入手した。 両村は、ともに稲作を中心に生業を営む村であり山麓部に位地するが、前者は以前から水田稲作を行い、後者は30ほど前までは焼畑移動耕作を行っていた村である。ともに祭祀や病気など災害への対処のための村落組織が存在するが、土地や資源の管理のあり方や、野性植物の利用、野菜の栽培頻度などは異なる。両村は単純に比較することはできないが、これらの違いがどこから来るのかを考えながら調査を進めると、興味ある結果が得られると思われる。来年度は、入手したデータの分析を行うとともに、補足調査を行うことによって、移住によって新たな空間に適応していった二つの村落が、それぞれどのように現状に適応し、自分たちの土地をどのようにマネージメントしようとしているのかについてまとめたい。
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