2008 Fiscal Year Annual Research Report
世界諸地域におけるノンフォーマル教育とエスニック文化に関する研究-NGOの対処と政府の役割
Project/Area Number |
20530480
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Research Institution | Tsuda College |
Principal Investigator |
加納 弘勝 Tsuda College, 学芸学部, 教授 (20214497)
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Keywords | NGO / イスラム教育 / ストリートチルドレン / ノンフォーマル教育 / エスニック文化 / エスニックな祭り / フォーマル教育 / 児童労働 |
Research Abstract |
課題に関連し、4つの点を中心に検討した。 第1に、世界諸地域におけるストリート・チルドレン問題と教育に関し、統合的に考察するための枠組みをアジア地域の事例をもとに提案し、この枠組みを用いて公開され始めた研究をもとに中東のエジプト、トルコの事例を検討し、また、現地で入手した調査報告をもとにエチオピアも検討した。 第2に、イスラム地域における教育に関し、カラチにおける事情を、私立民間学校、公立学校、イスラム教育施設の訪問をもとに検討した。パキスタンでは、GDPに教育が占める比率は90年の2.6%から03年に1.7%に低下し、教育におけるジェンダーギャップも縮小せず、途上国平均87%を大幅に下回る。また、民間教育が、生徒/教師比率などでも公立学校を上回る。実際、公立小学校では教室は古く修理が必要と教師も言い、休む生徒が多く空席が目立った。 第3に、パキスタンでは、アフガニスタン国境周辺でのテロにより治安悪化と、政府が教育に配慮できず貧弱な公立学校、その空白を埋める民間部門の拡大という事情を確認した。民間教育としてのイスラム学校の増減などは、アフリカのマリで見られる、イスラム主義者の民間学校と教育センターの増加と比較検討が必要である。 第4に、ラオスの小学校では、教室は小さいけれども、机がハの字型にされ向かいあって授業をする小学校があり、学校に集まる生徒には活気があった。また、職業教育との関連では、ルアンプラバンのラオ・ルー女性は織り手として有名で、天然の染色の糸で紡いだ織物と、必要なもの交換し、90年の経済自由化の初期に開発マネジャーが増産させ、市場価格以上で購入したとも指摘され、具体的な支援の状況を整理する必要性を確認した。
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