2010 Fiscal Year Annual Research Report
日本ハンセン病社会事業における隔離監禁主義と治療解放主義の相克過程に関する研究
Project/Area Number |
20530507
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
平田 勝政 長崎大学, 教育学部, 教授 (10218779)
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Keywords | 社会福祉関係 / ハンセン病 / 社会的排除 / 差別 / 隔離 / 人権 / 社会事業 |
Research Abstract |
本研究は、日本のハンセン病政策とその社会事業の在り方に決定的な相違をもたらす隔離(監禁)主義と治療(解放)主義の二つの考え方の形成・相克の過程を、1920年代に注目して解明することを目的としている。平成20年度は後者の治療主義に、平成21年度は前者の隔離主義に重点をおいて研究したが、平成22年度は、最終年度であることから、前者・後者の両方に関する未解明な課題を研究した。その成果は、下記のとおりである。 (1)前者の隔離主義関係としては、(1)社会事業史学会第38回大会(2010.5.8)において「1920年代のハンセン病問題と社会事業(第4報)-愛知県における「無癩」運動の成立・展開過程に関する研究-」と題して発表し、さらに、(2)日本特殊教脊学会第48回大会(2010.9.20)において「1930年代の地方優生運動と障害者・病者の入権(第2報)-日本民族衛生学会愛知支部の優生運動と十坪住宅運動とめ関連性の検討-」と題して発表した。(1)(2)とも愛知県に注目した隔離主義運動に関する研究成果である。 (2)後者の治療主義関係としては、日本社会福祉学会第58回大会(2010.10.11)において「1920年代のハンセン病問題と社会事業(第5報)-治療解放主義の系譜(楽生病院)の検討-」と題して発表し、その内容を修正・加筆の上、改題して「長崎大学教育学部紀要-教育科学-」第75号(2011年3月発行)に掲載した。さらに、社会事業史学会第39回大会(2011.5.7)に向けて、「1920年代のハンセン病問題と社会事業(第6報)-治療解放主義の形成と軽快退所問題の検討-」と題する大会報告要旨集の原稿を2011年3月に執筆した。
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Research Products
(4 results)