2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20530519
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
三原 博光 Prefectural University of Hiroshima, 保健福祉学部, 教授 (10239337)
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Keywords | 障害者 / 父親 / 生活意識 / アンケート調査 / 職場 / 育児 |
Research Abstract |
本研究の目的は、障害者の父親の生活意識を明らかにすることにあった。具体的に言えば、障害者の父親の妻、障害の子ども、職場の同僚(上司)、社会などに対する意識を考察することであった。方法は、質問紙調査が採用され、広島県、山口県、兵庫県などの342名の父親(34歳~81歳)から回答が得られた。その結果、9割の父親は子どもの障害にショックを受け、心理的葛藤を持ちながらも、職場では落ち着いて仕事をしていた。8割の父親は育児について妻とよく話をしていた。半数は家事の手伝いをしていた。父親は障害児を持ったことで、周囲の冷たい視線や無理解を感じていたが、同時に「他の障害児家族や多くの人々と知り合えた」「人の優しさを知ることができた」などの肯定的な面もあげていた。9割の父親は、行政に、親亡き後の施設における障害者の生活の充実を期待していた。 障害程度や父親の年齢に関して、中度の障害児の父親が妻とよく話をし、友人及び他の障害児家族とも交流を持ち、社会的問題についてよく考えるようになった。年齢については、49歳以下の父親が、職場の同僚(上司)に障害児についてよく話をし、障害児を持った事で良い点についても強く考える傾向を示した。 今後の研究は、アンケート調査に加えて、個別事例による障害者の父親の質的研究を行うことであり、また海外の障害者の父親と国際比較することで、わが国の障害者の父親の特徴の独自性を示したい。
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