2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20530519
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
三原 博光 県立広島大学, 保健福祉学部, 教授 (10239337)
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Keywords | 障害者 / 父親 / 生活意識 / アンケート調査 / 個別事例 / ドイツ / 国際比較 |
Research Abstract |
本研究は、科研費最終年度であり、総まとめとしての研究の取り組みを行った。三原市内外の障害者の父親達の生活意識を調べる目的でアンケート調査を実施した。アンケート調査の内容は、(1)子どもの障害の告知を受けたときの気持ち、(2)育児と家事の手伝いについて(3))職場での状況について、などであった。その結果、三原市、山口市、などの約340名の父親達から回答を得た。その結果、回答者の7割は50歳代、職業は3割がサラリーマン、2割が自営業者であった。9割の父親達が子どもの障害について、医師などからの告知を受けたとき、「ショックであった」と述べていた。また、半数の父親達は、そのショックから職場で落ち着いて仕事ができなかったと回答していた。家事については、あまり協力的ではなかった。妻が病気になった場合、困る理由として「家事」をあげていた。 障害程度との関連性では、中度の知的障害者の父親が妻とよく話をし、友人及び他の知的障害児家族とも交流を持ち、社会的問題についてよく考えていた。そして、重度の知的障害者の父親は家族で外出が制限され、周囲の冷たい視線や無理解を強く感じていた。 3名の重度知的障害者の父親(55歳、62歳、62歳)と個別インタビューを行った。3名の父親は障害児の育児で母親と共に苦労してきた。また、子どもが成長した後は、障害者の父親の会などで積極的に福祉活動に従事していた。また、ドイツ人2名の障害者の父親(62歳、50歳)と個別インタビューを行った。その結果、日本の障害者の父親と同様に、子育てのなかで苦労などをしていたが、障害者家族に対しては、日本における社会的偏見が少なかった。また、日独において障害者家族の家族においては、育児や母親の社会的自立には父親の支援が必要であることが示された。
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