2008 Fiscal Year Annual Research Report
障害を持つ人々の権利侵害と環境要因との関連性に関する研究
Project/Area Number |
20530530
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Research Institution | Seigakuin University |
Principal Investigator |
増田 公香 Seigakuin University, 人間福祉学部, 教授 (60316776)
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Keywords | 障害児・者の権利侵害 / 知的障害児・者施設 / 身体障害者施設 / 専門職 |
Research Abstract |
平成20年度の研究実績報告としては、以下の点が挙げられる。 障害を持つ人々を支援する専門職に対し、支援において権利侵害と考えられる事項についての実態把握を行った。調査方法としては、知的障害児・者施設及び身体障害者施設において障害を持つ人々の支援に直接かかわっている専門職130名に対し郵送によるアンケート調査を実施した。実施期間は、2009年3月1日〜15日だった。結果は、108名から有効回答が得られた(有効回収率83.1%)。性別は、男性43名・女性65名、平均年齢は37.4歳(±12.1)だった。就労年数は、平均10.6年(±10.5)だった。年間所得は、200万〜300万円が36名(33.0%)と最も多かった。「利用者を殴ったりたたいたことがありますか。」については、「ある」と回答した人は12.8%に留まっていたが、「利用者を部屋に閉じ込めたことの有無」については「ある」と回答した人は35.8%だった。また「食事介助の際薬を食事に混ぜて食べさせたことの有無」については「ある」と回答した人が、全体の63.3%に及んでいた。また、職場での先輩や上司との関係について、「先輩や上司から、必要ならば利用者を部屋に閉じ込めてもよいといわれたことがありますか。」については、「ある」と回答した人は全体の31.2%で、さらに「必要ならば薬を食事に混ぜて食べさせてもよい、といわれた経験の有無」については、51.4%の入が「ある」と回答していた。さらに、職場の状況に対する満足度については、「給与」について「満足していない・不満」は全体の50.5%で、勤務体制については全体の38.6%だった。今年度の結果より、支援における権利侵害は専門職を取り巻く環境と関連性があることが示唆された。今後は、今年度の調査をプレテストとして、対象を拡大し検討を行いたい。
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