2010 Fiscal Year Annual Research Report
障害を持つ人々の権利侵害と環境要因との関連性に関する研究
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20530530
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Research Institution | Seigakuin University |
Principal Investigator |
増田 公香 聖学院大学, 人間福祉学部, 教授 (60316776)
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Keywords | 障害を持つ人々に対する権利侵害 / 身体的虐待 / 障害者施設における労働環境 / 障害者施設職員の意識 / 知的障害 / 身体障害 / 精神障害 |
Research Abstract |
平成22年度の研究実績報告としては、以下の点が挙げられる。 障害を持つ人々を支援する専門職に対し、支援において権利侵害と考えられる事項と彼らを取り巻く労働環境に紺する意識の実態把握を行った。調査方法としては、全国の障害を持つ人々の支援施設のうち施設長の承諾が得られた564施設において直接支援にかかわっている専門職1,713名に対し郵送によるアンケート調査を実施した。データ収集実施期間は、2011年2月26日~3月15日だった。 結果は、1,135名から有効回答が得られた(有効回収率66.3%)。性別は、男性471名(41.5%)・女性663名(58.4%)・無回答1名(0.1%)で、平均年齢は38.8歳で、就労年数は平均8.15年だった。年間所得は、300~400万円台が最も多く全体の31.4%を占めていた。 「利用者を殴ったりたたいたことがありますか。」については、「ある」と回答した人は10.1%に留まっていたが、「利用者を部屋に閉じ込めたことの有無」については「ある」と回答した人は13.8%だった。 また、現在の仕事に対する意識に関しては、「私は今の仕事に興味を持っている。」については、「そう思う」と回答した人は全体の61.2%で、さらに「やりがいのある仕事をしたという感じが得られる」については、「そう思う」あるいは「どちらかといえばそう思う」と全体の83.4%の人が肯定的な回答をしていた。しかしながらその一方で、「輪t櫛はこの職場にいて着実な人生設計が立てられる。」については、「そう思う」と回答した人は全体の10.7%に留まっており、「仕事の成果と給与はつり合いがとれている。」に関しては「そう思う」と回答した人は全体の12.4%だった。この結果から業務内容に関しては関心が高いにもかかわらず、労働環境に対する満足度が低いことが明らかとなった。
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