2010 Fiscal Year Annual Research Report
被虐待児の養育支援における包括的心理コンサルテーションシステムの開発
Project/Area Number |
20530533
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
加藤 尚子 明治大学, 文学部, 准教授 (00307977)
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Keywords | コンサルテーション / 児童虐待 / 児童養護施設 / 養育 |
Research Abstract |
本研究は,被虐待児の養育支援を行う児童養護施設における包括的心理コンサルテーションシステムの開発の開発を目指すものである。本年度は,(1)心理コンサルテーションの機能的側面の検討,(2)被虐待児の心理支援プロセスと心理コンサルテーションの日米比較に関する検討を行った。2008年度には,児童養護施設におけるコンサルテーション機能を測定したが,施設養育におけるコンサルテーション機能をより明確にするため,保育所等に対しコンサルテーション介入を行い,同質問紙による調査を行った。結果については,現在集計中であるが,入所型の施設養育と通所型の養育(保育)における差異を検討することで,施設養育における養育の特徴が明らかになることを想定している。被虐待児の心理支援プロセスと心理コンサルテーションの日米比較のため,米国MassachusettsにあるTrauma Centerに調査に行き,トラウマの観点からの被虐待児のケアと施設介入プログラムに関するヒアリングを行った。Trauma Centerにおける子ども時代の複合的トラウマへのARC-Model(愛着・自己制御・能力モデル)から,被虐待児への支援における重層的・システム的ケアの重要性と養育者のケアとサポートの重要性が示唆された。保護システムとしての養育者組織づくり,養育者の感情管理,AttunementやConsistent Response等の養育のスキル獲得に着目した,心理コンサルテーションシステムと介入方法の必要性が示唆された。
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