Research Abstract |
今年度は,児童養護施設ではたらく施設心理士を対象として,グループフォーカスインタビューを実施し,コンサルテーションを含 め,施設における心理支援の課題および児童養護施設が直面しているの課題について分析した。コンサルテーションシステムを構築す る上で,各施設で行われている心理支援の実態を把握することは重要であり,これまでの研究の成果と実際に行われている実践との比 較対象を行うことは,現状の分析と実情と解離しないコンサルテーションシステムを構築する上で必要である。分析成果について現在 執筆中であるが,1.環境のみたて,2,心理支援が実践しやすいシステム作り,3,施設特性に沿った心理離縁内容,4,制度上の課題 ,などが重要な項目として抽出された。 また研究開始時点から継続して行っている,アクションリサーチの手法と検討の枠組みを用いて,作成した包括的心理コンサルテー ションプログラムをA児童養護施設において実践した。被虐待児への心理支援プロセスに基づき,知識提供(研修),個人コンサルテー ション,グループコンサルテーション,管理コンサルテーション,などの複数の介入方法を用いた包括的心理コンサルテーションシス テムを実践した。実際に介入を行うことで,研究成果を確認するとともに,現場との往復運動を行う中で,成果の精選が可能となるた め,本実践は重要である。介入先の組織と体制に大きな変更があったため,これまでとは異なる工夫が必要とされた。
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