2009 Fiscal Year Annual Research Report
児童虐待の意思決定過程における日本型当事者参画モデルの構築に関する研究
Project/Area Number |
20530535
|
Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
林 浩康 Japan Women's University, 人間社会学部, 教授 (70254571)
|
Keywords | ファミリーグループ・カンファレンス / 子ども虐待 / 当事者参画 / 親族里親 |
Research Abstract |
アイルランドにおける子ども虐待援助過程における当事者参画のあり方について現地関連機関への訪問を通して学ぶことができた。アイルランドでは「child welfare conference」と呼ばれる会議が基本的に実施され、それが親族里親への委託を促している。それに関与するコーディネーターやアドボケイトの活動などについて理解できた。 また他国においても一般化しているファミリーグループ・カンファレンスに関する理論研究の一環として、ファミリーグループ・カンファレンスのソーシャルワーク実践における位置付けや日本の実践への示唆について論究を深め、学位論文としてまとめあげた。FGCがソーシャルワーク実践に与えた影響を(1)ソーシャルワーカー機能に与えた影響と(2)ソーシャルワーク機能に与えた影響に分け、(1)については、(1)当事者参画に基づいた専門職役割の再編成、(2)ソーシャルワーカー役割の限定化と複数化、(2)については(1)コミュニティ視点の具体化、(2)ストレングス視点の具体化と当事者だけでの集団対話時間の確保について指摘し、理論的整理を行った。 さらに神奈川県の児童相談所職員とともに、日本型当事者参画実践に関するテキストと模擬DVDを作成した。児童相談所職員の方にシナリオ作成をお願いし、配役を決め、撮影を行った。そのシナリオに説明を加え、実践的マニュアルを作成した。それに諸外国におけるファミリーグループ・カンファレンスの実施状況、導入の歴史、日本への示唆について書き加え、テキストにし、全国の児童相談所へ送付する予定である。
|
Research Products
(2 results)