2010 Fiscal Year Annual Research Report
児童虐待の意思決定過程における日本型当事者参画モデルの構築に関する研究
Project/Area Number |
20530535
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
林 浩康 日本女子大学, 人間社会学部, 教授 (70254571)
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Keywords | ファミリーグループカンファレンス / 児童虐待 / 意思決定過程 / 参画 |
Research Abstract |
ファミリーグループ・カンファレンスを中心とした児童虐待の援助過程における意思決定過程への当事者参画に関する実践状況を神奈川県の児童相談所職員と情報交換を行い、日本型実践モデルの構築を行った。 具体的には、実践シナリオを作成し、ロールプレイを実際の児童相談所で行い、録画しDVDに編集した。作成したDVDは児童相談所職員の啓発を目的に、全国の児童相談所に送付した。また、そのシナリオとファミリーグループ・カンファレンスに関する理論をテキストとして、編集し、DVDと併せて児童相談所に送付した。このテキストは多少の修正をし、さらに実践事例を掲載した後、出版社から発刊する予定であり、現在その作業を行っている。 ファミリーグループ・カンファレンス導入後諸外国では親族里親が増加し、ファミリーグループ・カンファレンスは親族による養育を社会化・制度化する動きを促してきた。翻って日本では、親族里親は制度として存在するものの、その運用規定はきわめて限定されている。すなわち両親が死亡、行方不明、長期拘禁に限定され、虐待等に活用することが困難である。そうした状況に鑑み、ファミリーグループ・カンファレンスの導入と親族里親に関する要件緩和について検討を行ってきた。 子どものパーマネンシー保障のためには、施設養護を里親養護にシフトする必要性についてはこれまで論じられてきた。里親委託率が日本より相対的に高い諸外国では、現在親族里親を第一優先とする傾向にあり、ファミリーグループ・カンファレンスが委託の前段階で活用されることが多い。日本においても、ファミリーグループ・カンファレンスと親族里親活用の促進を図る意義をこうした状況からもいえる。
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Research Products
(3 results)