2009 Fiscal Year Annual Research Report
精神障害者のリカバリー支援プログラム(IMR)の実践研究
Project/Area Number |
20530536
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Research Institution | Japan Lutheran College |
Principal Investigator |
福島 喜代子 Japan Lutheran College, 総合人間学部, 教授 (40307997)
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Keywords | ソーシャルワーク / 社会福祉援助技術 / 精神保健 |
Research Abstract |
本研究は、精神障害者に対する科学的根拠に基づく支援プログラム(EBP)の1つである「Illness Management and Recovery(以下、IMRとも記す)」の実践研究である。本研究の対象となるプログラムは、もともと米国で開発されたものである。本研究で、昨年度、米国の文化や社会制度に合わせた記述内容を、日本人の文化や社会制度に合わせたものへと修正した「配布資料(日本版)」を用いて、複数の実践現場で実践研究を行った。 実践研究には、2つの病院、4つの障害者支援施設の参加があった。本研究の研修を受けたスタッフが、IMRプログラムの実践を行った。プログラムへの参加は、各施設で説明会の後、任意で参加者を募り、施設・機関ごとに3~8名の参加を得て実施された。参加者及び、比較対象群の調査協力者には、プログラム実施前及びプログラム実施後に調査を実施した。プログラムは、概ね週に1回、2時間程度で、実施され、9つのテーマを実践するために、1つのテーマに2セッション程度必要とし、1カ所あたり18セッション程度必要であることが確認された。IMR実践施設のスタッフに対しては、研究代表者及び研究協力者がスーパービジョンを提供した。個別の施設へのスーパービジョンは合計3回、研究代表者の本務校におけるグループ・スーパービジョンは合計4回実施された。スーパービジョンでは、本プログラムを日本で実践する上での課題とともに、工夫や留意点が明らかとなった。参加施設相互に工夫点などを持ち帰り、実践に活用できた。配布資料には、参加者からの意見も寄せられ、さらなる修正のための情報として蓄積している。また、実践上の工夫点や、参加者の感想も寄せられている。参加者からの評価は高く、次年度以降の継続参加を希望する者が多い。各施設・機関でも、引き続き次年度に実施することとなった。
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