2008 Fiscal Year Annual Research Report
児童養護施設におけるファミリーソーシャルワーカーの専門性形成過程に関する研究
Project/Area Number |
20530537
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Research Institution | Japan Lutheran College |
Principal Investigator |
加藤 純 Japan Lutheran College, 総合人間学部, 准教授 (80247105)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千葉 茂明 目白大学, 人間学部, 教授 (20236813)
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Keywords | 社会福祉学 / ファミリーソーシャルワーク / 児童養護施設 / 家庭支援専門相談員 / 家族再統合 |
Research Abstract |
2004(平成16)年度に、家庭支援専門相談員が児童養護施設に配置されて以降、ファミリーソーシャルワーカーとしての専門性を形成してきた過程を明らかにするため、研究協力者として家庭支援専門相談員6名の参加を得て研究会を8回開催した。 研究協力者から提供された実践事例の検討を通して、従来、児童養護施設の職員が担っていた子どもの生活場面におけるケアワークとは異なる家族全体に関わるソーシャルワークが実践されていることが明らかになった。児童相談所や医療機関、学校などとの連携や、家庭復帰後の生活基盤を作るための社会資源の活用など、ソーシャルワークの手法が活用されている。虐待をしたことも含めて親に共感し、親を人として尊重し、子育てへの主体的な参加を促すなど、ソーシャルワークの原則を踏まえた援助がされている。ケアワーカーと協力して自立支援計画を作成する方法も確立されてきて、計画的援助が目指されているが、一方で、計画の実施段階では家族のペースに合わせて柔軟性も大切にされている。 また、家族のアセスメントや援助計画の立案過程で他施設の家庭支援専門相談員が活用できるような書式のひな形を作成するため、研究協力者が作成・利用している書式を収集し、効用を検討した。子どもの施設入所を受け入れる際に児童相談所から聴き取りをするための書式などを独自に作成しアセスメントに活用していることなどが解った。 全国の児童養護施設の家庭支援専門相談員を対象に調査するため質問紙の作成を進めた。質問項目毎に綿密な検討が必要となり初年度は質問紙を作成、2年目に調査を実施する。
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