2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20530544
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Research Institution | Nihon Fukushi University |
Principal Investigator |
大谷 京子 Nihon Fukushi University, 社会福祉学部, 講師 (90434612)
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Keywords | 精神保健福祉士 / クライエントーワーカー関係 / 対象者観 / アイデンティティ / 項目反応理論 / 質問紙調査 |
Research Abstract |
3つの先行調査を基に、対象者観、アイデンティティ、クライエントーPSW関係という概念を構成するinventoryを作成した。次に、そこから質問紙を作成し、現任PSW3名に文言の使い方や質問順など回答しやすさと項目の妥当性を検討してもらった。 標本集団に結果が左右されない項目反応理論による分析を行うため、まずは研修会参加者とその同僚、研究者の知己の現任PSWを対象に第一回プリテストを実施した。105名分のデータによって因子分析と共分散構造分析をした。 対象者観を構成する因子は、自分の人生を決め責任を取る存在と捉えている「責任主体」因子と、経験から学びいきいき生きる力と知恵を持つ存在と捉える「知と力」因子とが抽出された(表2参照)。 アイデンティティは、生きる悩みをかかえるクライエントと連帯する者として、共に泣き笑いする素の自分で関わる「脱専門性」因子と、客観的アセスメントを中立的立場から行う「援助者」因子とがちゅうしゅつされた(表3参照)。関係性は、学びあい成長しあう「双方向」因子と、立場や責任の違いのある「専門的援助関係」因子が得られた。 次に項目反応理論を用いて、関係性に対象者観とアイデンティティからどの程度の影響を与えているか測ったところ、対象者観から0.688、アイデンティティから0.738の有意な係数が得られた。 この結果を受けて、愛知県精神保健福祉士協会に所属するPSW480名を対象に実践項目を含めた質問項目を作成し、アンケート調査を実施した。現在分析中である。
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